完母にしたいけど、1日何回授乳すればいいんだろう?
搾乳ってどれくらい出ていれば足りているの?
母乳育児について「頻回授乳が大事」「欲しがるだけあげましょう」と聞くのですが、具体的に何回で、どれくらい搾れていればいいのかを教えたもらう機会がありませんでした。
僕たちは不妊治療を経て子どもを授かり、先日出産を迎えた夫婦です。
妻は完母を目指していて、退院してからの2週間は、ほとんどの時間を授乳と搾乳に使っていました。
今回は、完母で軌道に乗った僕たちが実際にやっていた1週間分の授乳・搾乳スケジュールを、育児記録アプリ(ぴよログ)の数字そのままでまとめてみました。
母乳の出方には個人差があって、努力でどうにかなる話ではありません。
うちは出てくれたという幸運があった前提の記録です。
そのうえで、「出てはいるけど、やり方が分からない」という方の参考になれば嬉しいです。
直母+搾母乳で、生後2週で完母になりました

生後11日の時点で、1日の搾乳量は360〜490ml。
プラスで、直母乳分が授乳できています。
ミルクを使ったのは入院していた生後5日が最後で、それ以降は母乳と搾母乳だけで回っています。
体重も、生後5日の2.80kgから生後10日で2.96kgまで増えました。
やったことは、3時間に1セット、24時間で8セットを、ひたすら回しただけです。

はじめは全然出なくて、本当に完母になるのか不安だった
我が家のやり方の核|直母は片乳5分ずつで切り上げる

我が家のスケジュールを説明するうえで、重要なポイントがあります。
なぜ5分で切り上げるのか
うちの子は、おっぱいを吸っている途中で寝てしまう子でした。
ほっぺをつついても、足の裏をさわっても起きない。
それでも

吸ってもらわなくて母乳が作られなくなったら嫌だ
と思い、妻は起こしては吸わせ、また寝ては起こし、を繰り返していました。
1回の授乳に40分〜1時間かかる日もありました。
結果として、生後7日の健診で体重が減っていて、黄疸の数値も上がっていました。
そこで医師怒られ、この指導を受けました。

直母は片方5分ずつ
あとは搾母乳を哺乳瓶で足して
理由は3つ
- 赤ちゃんは吸い始めの数分で大部分を飲んでいる。
そこから30分粘っても、増えるのは疲労だけ - 母乳の分泌は「乳房が空になる回数」に左右される。だらだら1時間くわえさせるより、短く切り上げて搾乳で出しきるほうが有利
- 何より、搾母乳を哺乳瓶で足せば、飲めた量がmlで分かる
※このやり方は一般的ではありません
大事な注意点です。
時間で区切る授乳は、本来すすめられている方法ではありません。
日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)の解説では、1回の授乳のうち前半より後半の母乳のほうが脂肪が多くカロリーが高いことが知られていて、片方からまだ飲みたいのに時間を決めて反対に切り替えると、カロリーの低い母乳ばかりを飲むことになり、体重が増えにくくなる等の問題につながることもあるとされています。
Q5:何時間ごとに、また1回に何分くらい授乳をしたらよいのでしょうか?|日本ラクテーション・コンサルタント協会
我が家は「体重が減っていて、飲めた量を確認する必要がある」という状態に対して出された個別の指導です。
同じ状況でない方は、産院や助産師さんの指示を優先してください。
授乳方法を変えた話はこちらから
我が家の1日のサイクル|3時間に1セット

1セットの中身(45分〜1時間)
順番は、基本こうしています。
- 先に搾乳する(5〜10分)
- おむつを替える(夫が赤ちゃんを起こす)
- 直母(片乳5分ずつ)
- 夫が温めておいた搾母乳を哺乳瓶で飲ませる
- ゲップ、搾乳器と哺乳瓶の洗浄・消毒
ポイントは2つあります。
ひとつは、搾乳が先なこと。
妻はおっぱいの張りが強く出るタイプで、張ったまま吸わせると赤ちゃんも飲みにくそうでした。
先に搾って張りを抑えてから含ませたほうが、飲み方が落ち着きます。
搾った母乳はそのまま次の回に使えるので、無駄にもなりません。
もうひとつは、おむつ替えを授乳の前に持ってくること。
うちの子はすぐ寝てしまうので、おむつを替えて一度しっかり起こしてから吸わせるようにしていました。
飲んだあとに替えると、また起こすことになってしまいます。
実際の1日(生後8日)
体重が減っていると言われた翌日の記録を、そのまま出します。




この日の合計は、直母9回(合計90分)・搾乳7回450ml・搾母乳8回270ml・おむつ替え10回でした。
この日は6:10から9:15まで間隔が空いてしまっていますが、本当は空けないほうがいいです。
わかっていても起きられない日でした。
ちなみに、これはやりすぎな部類らしいです
生後2週間の健診で、助産師さんに授乳と搾乳の回数を聞かれ、

授乳が10回くらいで、搾乳が7〜8回です
と答えたら、助産師さんがちょっと引いていました。
そのあと

お母さんが大丈夫なら大丈夫ですよ!
と、元気よく言ってもらえたのですが、あの反応を見るかぎり、ここまでやっている人はそんなに多くないのだと思います。
つまり、この記事に書いたスケジュールは、そのまま真似することを前提にしたものではありません。
うちは元々黄疸がひどく、体重も減っていたことから赤ちゃんの体重増加をかなり頑張ろうとしていました。
回数が少なくても、赤ちゃんの体重が増えていて、お母さんが元気なら、それで足りています。
実際2週間検診では、3日前より体重が150gほど増えていて安心したので、これから搾乳の回数を減らそうと思っています。
疲れているなら減らしていいですし、しんどいと感じた時点で、産院や助産師さんに相談するようにしてください。
夜中は、夫婦で一緒に起きています

片方が寝て、片方が担当したほうが、睡眠時間は確保できます。
そうしている家庭も多いと思いますし、合理的だと思います。
それでも我が家は、夜中も2人とも起きるようにしています。
理由は2つあります。
ひとつは、妻が

寝ているより、張ったおっぱいを赤ちゃんに直接吸ってほしい
と思っていること。
夜中も直母で頑張りたい、という気持ちがある以上、夫だけが哺乳瓶で済ませる形にはなりません。
もうひとつは、僕が育休を取れていること。
翌日に出勤があるわけではないので、寝る時間はあとからいくらでも取り返せます。
だったら、起きている時間を分け合ったほうがいい。
夜中の役割分担
- 夫:おむつ替え
- 夫:搾母乳を冷蔵庫から出して温めておく
- 妻:搾乳して、直母
- 夫:直母を切り上げたタイミングで交代し、哺乳瓶で足す
- 夫:ゲップ、洗い物と消毒
妻が直母をしている間に僕が温めておくと、切り上げてすぐ哺乳瓶に移れます。
待たせると赤ちゃんが泣いて、また寝てしまうので、ここのつなぎ目は地味に大事でした。
正直に書くと、僕が起きられない日も多々あります。
気づいたら朝で、妻がひとりで2回分こなしていた、ということが何度かありました。
そういう日は本当に申し訳なくなります。
それでも、効率のいいシフトを組むより、妻がやりたい形に合わせるほうを選びました。
育児は数字の話であると同時に、感情の話の側面がかなり強いと思います。
実際の記録7日分とわかったこと
| 日齢 | 直母 | 直母の合計時間 | 搾乳 | 飲ませた搾母乳 | ミルク | おしっこ |
| 5日 | 4回 | 79分 | 4回 220ml | 2回 60ml | 4回 200ml | 5回 |
| 6日 | 12回 | 219分 | 2回 140ml | 2回 80ml | — | 6回 |
| 7日 | 7回 | 110分 | 6回 420ml | 5回 220ml | — | 6回 |
| 8日 | 9回 | 90分 | 7回 450ml | 8回 270ml | — | 8回 |
| 9日 | 9回 | 88分 | 8回 490ml | 10回 310ml | — | 10回 |
| 10日 | 10回 | 109分 | 8回 460ml | 7回 280ml | — | 9回 |
| 11日 | 9回 | 119分 | 6回 360ml | 6回 220ml | — | 9回 |
体重は 生後5日で2.80kg → 生後10日で2.96kg。
※生後5日は赤ちゃんが15時まで入院していた日で、その間はミルクでした。
① 授乳時間の長さは、体重に結びついていなかった
生後6日を見てください。
直母12回・合計219分(3時間39分)。
数字だけ見ると、ものすごく頑張った日です。
それでも翌日の健診で、体重は出生時より減っていました。
長く吸わせることと、赤ちゃんが飲めることは、別の話でした。
219分という数字は、頑張りの記録であって、成果の記録ではありませんでした。
② 飲めているかの判断材料になったのは、おしっこと体重
| 生後6日 | 生後9〜10日 | |
| おしっこ | 6回 | 9〜10回 |
| 体重 | (翌日 2.77kg) | 2.96kg |
おしっこが6回から10回に増えて、体重は3日で196g増えました。
1日25〜30gが目安とされているので、それを超えたペースです。
③ 搾れる量は日によって変わる。1日で判断しなくていい
搾乳量は、日によってかなり違いました。
生後6日は2回で140ml。
翌日は6回で420ml、その次の日は7回で450mlです。
同じ人の、隣り合った3日間でこれだけ差があります。
体調も、赤ちゃんが飲む量も、眠れたかどうかも毎日違うので、当然といえば当然でした。
その日1日の数字で、出る・出ないを判断しなくていいと思います。
少ない日があっても、次の日には戻ります。
妻も「昨日より少ない」と落ち込む日がありましたが、1週間の並びで見ると、ちゃんと増えていました。

その日の量だけ見ていると、一喜一憂して疲れてしまいます
使っていた搾乳器について
我が家はピジョンの手動さく乳器を使っていました。
正直に言うと、手動で1日8回はかなりしんどいです。
妻は手が痛くなると言っています。
ただ、搾れた量がその場でmlで分かるのは、量を数字で管理したい時期にはとても助かりました。
これから買う方で、1日6回以上搾る予定がある方には電動をおすすめします。
一般的にはこう言われています

ここまで我が家の話でした。
調べていくと、一般的な目安と合っていた部分と、違っていた部分がありました。
授乳回数は「24時間で8〜12回」
JALCによると、出産後約1週間は1〜3時間ごとかそれ以上、それ以降しばらくは24時間に8〜12回が平均的とされています。
我が家の記録も7〜12回だったので、ここはおおむね合っていました。
搾乳は「1日8回程度、30分以内」
搾乳器メーカーのメデラは、搾乳器に頼る場合は24時間で約8回を推奨しています。
日本赤十字社医療センターの資料では、1回の搾乳に時間をかけすぎず30分前後を目安に、回数を多くしたほうが効果が上がること、夜寝る前と朝起きてすぐの搾乳は欠かさないことが挙げられています。
量の目安は「産後2週で1日500ml前後」
徳島大学病院 周産母子センターの母乳育児Q&Aでは、産後2週までに1日あたり500ml以上出ていると、その後も同じくらい出続けるという目安が紹介されています。
この500mlは、退院する頃の赤ちゃんが1日に飲む量(60ml×8回)に相当するそうです。
同時に「いま出ていなくても心配はいらない、あくまで目安」とも書かれています。
ノルマではありません。
足りているかの判断
| 見るもの | 目安 |
| おしっこ | 1日5〜6回以上、色が薄く、おむつが重い |
| 体重 | 1日25〜30g程度の増加(1週間で約170g) |
| 授乳回数 | 24時間で8回以上 |
こんなときは早めに相談を
回数や量を追いかけていると、目の前の赤ちゃんの様子を見落としがちになります。
次のようなときは、スケジュールより受診を優先してください。
- おしっこの出ているおむつが1日5枚以下の日が続く
- おしっこの色が濃い、量が少ない
- 体重が増えない、または減っている
- 肌や白目の黄色みが強くなってきた
- ぐったりしていて、起こしても飲まない
- 乳房に強い痛み・しこり・発熱がある(乳腺炎の可能性)
母乳の量や飲ませ方そのものについては、産院の母乳外来、自治体の産後ケア事業、助産師会の相談窓口でも相談できます。
「病院に行くほどではないかも」と迷う段階で使っていい窓口です。
まとめ|完母を目指す前に知っておきたいこと
母乳の出方には個人差があって、頑張れば必ず出るというものではありません。
1日8回搾れば完母になる、という単純な話でもありませんでした。
とはいえ、219分かけた翌日に体重が減っていた記録を見返すと、かけた時間の長さと、赤ちゃんが飲めた量は別ものなのだとは思います。
今回は、僕たちが実際にやっていた1週間分の授乳・搾乳スケジュールをまとめました。
- 母乳は、乳房から取り去った分だけ作られる
- 1回の長さより、24時間の合計回数
- 足りているかは搾乳量ではなく、おしっこ5〜6回以上と体重25〜30g/日で見る
- 産後2週で1日500ml前後が、その後の分泌のひとつの目安
- 搾乳は分泌にとって直母と同じ働きをする。逃げではない
- おむつが1日5枚以下・黄色みが強くなる・ぐったりしているときは、その日のうちに相談
夫にできるのは、母乳を出すことでも量を増やすことでもなく、夜中に一緒に起きて、温めと洗い物と記録を引き受けて、妻がやりたい授乳の形を続けられる状態を作ることだと思います。
うちの子は、授乳中に寝てしまっていた数日と比べると、今はよく飲んでよく起きるようになりました。
完母でも混合でもミルクでも、赤ちゃんが飲めていて、お母さんが倒れていなければ、それでいいんだと思います。
〈参考リンク〉
Q5:何時間ごとに、また1回に何分くらい授乳をしたらよいのでしょうか?|日本ラクテーション・コンサルタント協会
母乳育児Q&A|徳島大学病院 周産母子センター はぐくみ通信 vol.11(PDF)|日本赤十字社医療センター 周産母子センター



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