授乳のたびに肩と首が痛いのは、姿勢が悪いから?
授乳クッションを使っているのに、なぜ肩こりが治らないんだろう?
産後の授乳は、1日に8回も10回も繰り返します。
しかも1回15分〜1時間。
同じ姿勢を、寝不足のまま、毎日続けることになります。
妻が一番つらそうにしているのが「左肩の痛み」でした。
今回は、授乳で肩こりが起きる理由と、我が家が実際に試した対策、そして夫にできることをまとめてみました。
同じように授乳のたびに肩や手首が痛い方の参考になれば嬉しいです。
授乳で痛いのは実は「肩」だけではない

授乳による体の痛みというと、まず肩こりを思い浮かべると思います。
実際に妻が痛がっていたのは、3か所でした。
- 左の肩
- 手首
- 親指の付け根
肩は、赤ちゃんを支えるために肩を前に丸めた姿勢を長時間続けることが原因です。
背中が丸まり、頭が前に出て、その重さを首と肩で支え続けることになります。
手首と親指の付け根は、赤ちゃんの頭を支える動きと、乳輪をつまんで平たくし、赤ちゃんの口に含ませる動き。
このどちらも、親指を大きく開いた状態で力を入れます。
なぜ左側の肩だけ痛むのか

我が家では、左肩の1点だけが強く痛みました。
場所でいうと画像の星の部分の1点です。
この肩甲骨の内側の1点がカチカチの固い筋になっています。
理由ははっきりしませんが、支える手の使い方や、抱きやすさに左右差が出ていたのだと思います。
しかし左右どちらかに偏るのは、決して珍しいことではないようです。
逆に言えば、痛い側だけ姿勢を見直す価値があるということでもあります。
両方が同じように痛いわけではないなら、原因は「授乳そのもの」ではなく「その側の抱き方」にある可能性が高いからです。
①授乳クッションの高さが合わないと、肩は必ず前に丸まる

赤ちゃんの口の位置が、乳首の高さより低いと、母親は自分から体を前に倒しにいくことになります。
この瞬間に、背中が丸まり、肩が前に出ます。
これを1日に何度も繰り返せば、肩がこらないほうが不思議なくらいです。
ピジョンの授乳サポート情報でも、乳首と赤ちゃんの口の高さが同じくらいになるように、授乳クッションや折りたたんだバスタオルで調整することがすすめられています。
我が家で使っているのはエルゴベビーの授乳枕(ナチュラルカーブ ナーシングピロー)です。
ただ、これ1つでは妻には少し低く、上にタオルを重ねて高さを足して使っています。
とはいえ、高さを調節すると授乳のしやすさは変わったものの、肩の痛みの改善にはなりませんでした。
②授乳を「縦抱き」にしたら肩の痛みは消えた|ただし万能ではない
Xで授乳姿勢のbefore/afterのイラストを見かけたことがきっかけで、縦抱きを試してみました。
やってみて、いくつかはっきりしたことがあります。
良かったこと:背筋が伸びるので、肩は痛くない
縦抱きは、赤ちゃんの体をこちらに引き寄せる姿勢になります。
母親が前に倒れ込む必要がないので、背筋がまっすぐのまま授乳できます。
実際、妻は縦抱きの授乳中は

肩が痛くない
と言っていました。
それに、赤ちゃんが自分の力で吸い付いてくれる感覚があったそうです。
頭を強く固定しなくていいぶん、手首と親指の負担も減ります。
難しかったこと①:いい姿勢だからこそ、体がきつい
ただ、これで解決とはなりませんでした。
背筋を伸ばした姿勢をキープすること自体が、産後の体にはきついです。
肩こりの原因である「丸まった楽な姿勢」は、裏を返せば体力を使わない姿勢でもあります。
深夜の授乳で、眠りながら背筋を伸ばし続けるのは現実的ではありませんでした。
難しかったこと②:浅飲みになって、乳首がちぎれそうになった
もうひとつが、浅飲みです。
角度がうまく合わないと、赤ちゃんが乳頭の先だけをくわえた状態になります。
この状態で母乳を吸われると乳首に強い痛みが出て、

乳首が千切れそう
と痛みを感じていました。
難しかったこと③:高さを出すのに足を組む必要がある
縦抱きも結局、高さの問題にぶつかります。
あぐらをかいて、そのくぼみに赤ちゃんのお尻を置く形にすると、ちょうどいい高さになるという話でしたが、赤ちゃんとママの身長の差にもよる気がします。
あぐらではうまく高さが合わなかったので、椅子に座って足を組んで高さを合わせました。
我が家の結論:場面で使い分ける
そこで我が家は、こういう使い分けに落ち着きました。
- 家では:エルゴベビーの授乳枕+タオルで高さを出した抱き方
- 外出先・授乳室では:縦抱き
授乳室を使用するときは、クッションがないことが多いので、道具なしで吸わせる必要があります。
縦抱きであればそれが成立することがわかりました。
浅飲みだったり、姿勢がつらかったりもしますが、道具無しでできて、肩も指も痛くないので重宝する姿勢です。
どの抱き方が合うかは、赤ちゃんの大きさや、お母さんの体型、乳首の形によっても変わります。
一つに決めずに、いくつか引き出しを持っておくのがいいというのが、我が家の実感です。
授乳の肩こりに夫ができること3つ|マッサージガンは背中側担当

肩こりの話になると、夫は「マッサージしてあげる」くらいしか思いつきません。
先の2つにプラスして、マッサージを含めた3つの対策をご紹介します。
③ 授乳の回数そのものを減らす
搾乳したものやミルクは夫が飲ませることができます。
妻が授乳姿勢をとる回数が減れば、そのぶん肩や手首を休められます。
1日1回でも負担は減らせるはずです。
我が家では、

搾乳も時間かかるから、なるべく直母であげたい
という妻の想いがあります。
基本的に直母乳+搾母乳であげていますが、夜どうしても妻が起きられない時などは、搾母乳で済ませられれば少しは助けになれるかもしれません。
④ マッサージガンを当てる
これは根本解決ではなく対症療法ですが、その日のつらさを軽くする効果があります。
ポイントは、マッサージガンは自分の背中側には当てられないということです。
肩の前側や腕なら自分でできますが、授乳のコリの本体は肩甲骨まわりから首の付け根にあります。
ここは腕が回りません。
つまり、夫が当てる前提の道具です。
我が家では、毎日ではないですが、寝る前にお互いをマッサージし合う時間を作っています。
僕もおむつ替えや沐浴で腰が痛いため、お互いに労わりあえる夫婦の時間として楽しいです。
使うときに気をつけていることです。
- 首の前側・骨の上・関節には当てない
- 乳房まわりや、帝王切開の傷の周辺は避ける
- 強さは弱いモードから。痛気持ちいいところで止める
- 1か所に長く当て続けない
産後は体の状態が普段と違います。
痛みが強いとき、腫れているとき、傷が痛むときは、当てずに休ませるほうが優先です。
心配があれば産院に確認してからのほうが安心だと思います。
⑤ 温める・休ませる
授乳の合間に患部を温めるだけでも違うようです。
授乳時間はあげている時間自体は短いものですが、赤ちゃんが吸うのを待ったり、途中でゲップを挟んだり、その前に搾乳の時間があったりと、結局1時間ほどかかる時もあります。
そしてその間妻は半裸の状態です。
夏場で本当に良かったと思います。
冬場で長時間半裸は耐えられません。
夏でも上半身が冷えてガチガチになっている部分があるので、温めるというのは重要なのかなと思います。
授乳の肩こり・手首の痛みで受診すべきサイン

授乳中の体の痛みには、姿勢の工夫では解決しないものも含まれます。
以下に当てはまるときは、早めに相談してください。
手首・親指の付け根が痛いとき
手首の親指側が痛み、腫れる状態をドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)といいます。
日本整形外科学会によれば、親指を広げたり動かしたりするとこの部分に強い痛みが走るのが特徴です
日本臨床整形外科学会は、授乳など育児で新生児の頭部を支える際の親指を広げる動作が、若い女性の発症原因になりやすいと説明しています。
まさに授乳で毎日繰り返す動きです。
- 手首の親指側が痛む・腫れる
- ものをつかむ、タオルを絞る動作で痛む
- 手に力が入らない
こうした症状が続くときは、整形外科へ。手のしびれを伴う場合も同様です。
乳首の痛み・傷が続くとき
乳首の傷は、放置すると細菌の入り口になります。
- 授乳のたびに強い痛みがある
- 乳首が切れている・出血する
- 授乳後、乳首の先がつぶれた形になっている
これらは浅飲みのサインなので、産院の母乳外来や助産師の授乳相談で、抱き方を直接見てもらうのが早いです。
発熱・しこり・赤みがあるとき
乳房にしこりや赤み、熱感があり、発熱や悪寒を伴う場合は、乳腺炎の可能性があります。
悪寒を伴う高熱が出ているときは、様子を見ずに産婦人科・母乳外来を受診してください
頭痛や吐き気を伴う肩こり
肩こりに強い頭痛や吐き気を伴う場合、産後は特に自己判断せず、産院に相談してください。
まとめ|授乳の肩こりを「我慢するもの」にしないために
授乳姿勢に、これが唯一の正解というものはありません。
同じ抱き方でも、平気な人もいれば痛くなる人もいます。
そして、クッションを買えば全部解決する、という単純な話でもありませんでした。
とはいえ、毎日10回近く繰り返す動作なので、1回あたりの負担を少し減らすだけで、1週間後の体はかなり変わるのではないでしょうか。
今回は、授乳による肩こり・手首の痛みの原因と、我が家で試している対策についてまとめました。
- 授乳の肩こりの正体は、肩を前に丸めた姿勢の反復
- クッションは高さが合っているか
- 手首・親指の痛みは腱鞘炎(ドケルバン病)のことがある
- 手に力が入らない/乳首の傷が治らない/発熱としこりがあるときは受診
夫にできるのは、痛みを我慢させないことに尽きます。
授乳を代わること、自分の手が届かない背中側にマッサージガンを当てることなど妻徹底的なサポートに回ることだと思います。
我が家はいまも、家では授乳枕、外では縦抱き、という使い分けています。
授乳のかたちは家庭ごとに違っていいし、痛いなら変えていいのだと思います。
〈参考リンク〉
赤ちゃんが上手におっぱいを飲むコツ〜ラッチオン〜|ピジョン にっこり授乳期研究会
助産師が伝えたい、乳腺炎の症状と対処法について|産婦人科オンラインジャーナル



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