- 胚移植で着床しなかった方
- 「薬が合わない」と言われた方
- 次の移植に向けて気持ちを整理したいご夫婦
2回の胚移植と流産を乗り越え、
次こそは、と万全の準備で迎えた3回目の胚移植。
温活もサプリも、これまで以上に意識して
夫婦でできる限りのことをして臨みました。
しかし結果は、初めて見る真っ白な検査薬。
「あんなに頑張ったのに、、、」という思いがこみ上げ、ふたりで大きなショックを受けました。
それでも妻はどこかで「今回は着床していないかもしれない」と感じていたようです。
3回目にして初めて迎えた着床しないという現実。
どうしてそうなったのか。
そして、着床の確率を上げるためにできることはあるのか。
今回の経験を通して感じたことを、整理してみました。
3回目の着床準備についてはこちらから
3回目の胚移植
今回これまで以上に準備をして、祈る気持ちで臨みました。
温活・サプリ・食事など今まで以上に身体づくりを意識して、絶対流産させないぞという強い気持ちです。
でも今回は初めて着床しませんでした。
色々ショックな経験を重ねていますが、初めて味わう真っ白の判定は、想像以上に心にダメージがあるものでした。
フライング検査

5日目午前 ドゥーテストを使用し陰性
「5日目じゃまだ出るものも出ないよ、フライングすぎる」
5日目にフライング検査をして陰性だったと報告する妻に対して、僕は笑いながら指摘しました。
3回目の胚移植を終え、なんだか落ち着かない様子の妻は5日目にしてフライング検査をしていました。
今までもフライング検査はしてきましたが、2回とも検査したのは6日目からです。
早期検査薬を用いたとしても、移植後5日~7日で陽性線が出始めるとされています。
5日では陽性線が出ない可能性はかなり高い傾向にあるのです。
妊娠検査薬の使い方についてはこちらから
しかし今回特に結果がすごく気になる妻におつかいを頼まれ、その日の内に早期妊娠検査薬を購入しました。
前回・前々回は6日目の朝にはうっすら陽性線が出現。
早期検査薬は通常よりも反応が出やすいため、前回と同じ状況であれば6日目の午前中に使用すれば濃い線が現われるはず。
そして6日目の朝を迎え、再度検査しました。
しかし5分待っても線は現れず、真っ白なまま。
陰性でした。
「かゆいからもう薬やめていい?」と聞く妻でしたが、僕のわがままで8日目まで薬を継続してもらいました。
8日目の朝、通常のドゥーテストで検査。
やはり陽性線は出ず真っ白なまま、陰性。
僕は「また妊娠はするだろう」と考えていて、今回着床しないことは全くノーマークでした。
移植3回目にして着床しないという結果が出てしまったことどう受け取ったらいいのやら。
今後は着床しない可能性にもおびえなきゃいけないのか。
「あと3回しか保険での移植残ってないのに」妻と2人で途方にくれました。
でもどうやら妻は何となく妊娠していない気がしていたみたい。
着床のサインがまったくなかった

過去の移植では、「着床したかも」と思える体の変化がありました。
胸の張り、眠気、体の重さ、空腹。
正直僕の目から見ても明らかに様子が違うなという感じでした。
着床時の身体の変化はこちらから
でも今回は、移植後からずっと何も変わらず。
まず移植当日の身体のだるさ、眠気が全くなかったみたい。
そしてその後も体温が熱く感じられない、お腹もすいていない。
あとはなんだかずっとイライラしている。
「今考えると生理前の状態だったのかな」と妻は考察。
それだけ着床の変化がなかったにしても、2回の着床の経験から「きっと大丈夫だろう」とぼくは思ってしまっていたので、判定の結果には驚きました。
医師から言われた「薬が合っていなかったかもしれない」

8日目で薬をやめてしまったので生理が来ました。
子宮内膜を厚くしていた分、また重たい生理です。
そして生理3日目、診察を受けました。
診察のとき、先生から言われたのは、「デュファストンが身体に合っていなかったかもしてない」とのこと。
今回の移植では、前回と同じく黄体ホルモンの補充用にデュファストンを使用。
前回はデュファストンで着床までいけたのでなにも気にしていませんでしたが、「薬があっていないのかも」と言う医師。
まず「薬が合わない」とはどういう状態なのでしょうか。
「薬が合わない」とは副作用が出るという意味もあるのですが、ホルモン値が安定しなかったり、吸収がうまくいっていなかったりという場合もあるようです。
不妊治療では、同じ薬を使っていても、人によって反応が違うことがあります。
その差によって妊娠の結果に関わることもあるみたい。
改めて不妊治療の難しさと不確定さを思い知らされました。
次の移植ではルトラールに変更

医師の判断で、次回からは「ルトラール」を使うことになりました。
デュファストンとルトラールは、どちらも黄体ホルモン(プロゲステロン)を補う薬ですが、成分や作用が少し違うようです。
| 特徴 | デュファストン | ルトラール |
| 主成分 | デュプロゲステロン(自然型) | クロルマジノン酢酸エステル(強力型) |
| 効果の強さ | マイルドで自然に近い作用 | 強力で基礎体温をしっかり維持 |
| 用途 | 黄体ホルモン補充全般、妊娠維持 | 黄体機能不全、PCOS、高LHの抑制 |
| 副作用 | 吐き気など軽い副作用が比較的少ない | 気分変調、眠気、生理周期乱れがやや多い |
| 服用後の月経 | 妊娠していなければ着実に月経が来る | 服用終了後、月経が遅れる場合あり |
どちらも黄体ホルモンの拡充に使用されますが、デュファストンは身体にやさしく、副作用が比較的少なめなのに対し、ルトラールの方は効き目が強い代わりに副作用も出やすいようです。
「自費診療ではルトラールを使用するのが一般的」という説明も医師から受けたそうです。
「じゃあなんでデュファストンにされてたんだろ?最初からルトラールでよかったじゃん」と言う妻でした。
一般的に「着床しない」原因とは

今回「薬があっていないかも」という指摘がありましたが、一般的に着床しないというのは何が原因なのでしょうか。
薬変更だけで着床するようになるのならだれも苦労はしていません。
なにか少しでも対処できることはないか、調べてみました。
着床しない原因はひとつではないことがわかりました。
大きく分けると、次のようなものがあるそうです。
- 受精卵側の問題
染色体異常など、見た目がきれいでも遺伝子的な問題がある場合。 - 子宮側の問題
内膜が薄い、血流が悪い、慢性子宮内膜炎など。 - ホルモンや免疫の問題
黄体ホルモン不足や、免疫反応が強くて着床を阻害してしまうケースも。
さらにこれらをすべてクリアしても着床しないこともあるようです。
「原因不明」それがこの治療の難しさで、僕たちを苦しめます。
それでも、次に進む

幸い、今回来てしまった生理を周期の起点として、また子宮内膜の育成を始めることができました。
ひとえに妻が最善を考え、生理3日目であえて診断予約を入れてくれたおかげです。
「一度子宮を休ませる」と考える病院もあるみたいだけど、僕らの病院はそういう期間は設けられていません。
待ち時間でもどかしい想いをさせられることなく、続けられるのはむしろうれしい。
また着床しなかった経験を迎えたことで、オプションで「アシステッドハッチング」を保険適用で使用できるようになりました。
自費診療だけだと思っていたからうれしい。
でも受精卵2個戻しは今の段階ではまだ難しいみたい。
妻はエストラーナテープで傷ついたお肌を回復しきれないから辛い思いをさせています。
でも「皮膚ダメージを気にするより早くがんばりたいから」と奮起してくれています。
完全に自己満足ですが、今回妻がテープを貼り続ける間、僕も絆創膏をお腹に貼り続けることにしました。
苦しみがわかってあげられますように。
流産も2回経験した、着床しない経験もした、もう十分苦しんだでしょ。
神様がいるならもう僕たちを苦しめないでほしい。
そろそろ出産まで進ませて。
まとめ
3回目の胚移植。
これまで以上に準備を重ねて臨んだのに、結果は「真っ白」でした。
何度経験を重ねても、陰性の判定は心が折れるほどつらい。
でも、今回の経験で「薬が合わないこともある」と知り、次への希望がまったくゼロではないこともわかりました。
着床しない理由はひとつではなく、
卵の状態・子宮の環境・ホルモンや免疫など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると言われています。
だからこそ「次は違うかもしれない」と信じることが、治療を続ける力になるのかもしれません。
妻の体も心も傷だらけだけど、それでも「もう一度やってみよう」と言ってくれることに、ただただ感謝しかありません。
〈参考リンク〉
不妊治療でルトラールを使うと生理が遅れる原因と副作用・服用時の注意点を医師が解説 | 大阪市西区の不妊治療なら平均3か月でご懐妊の北堀江アクア鍼灸治療院






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